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南半球の楽園、ニュージーランド(3)
                                                 2004/4/11
北島から南東ネルソンへ−小型飛行機で移動
 ゆっくりする間もなく、ウェリントンから再度南島に渡る。次の目的地はマールボロ。そう、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランを世界に知らしめた産地だ。クラウディ・ベイを筆頭に、フロム・ヴィンヤードウィザー・ヒルズなど有名生産者が名を連ねる、押しも押されぬ銘醸地といっていい。そして生産者訪問のほかに、もう一つ大きな目的がある。年に一度開催される、BMW・マールボロ・ワインフェスティバルへの参加だ。生産者、販売者、そして消費者が一体となった参加型のイベントだ。

 天候は快晴。空は蒼く、大地は緑。なんとも伸び伸びとした雰囲気だ。年に一度のこのイベントを毎年心待ちにする人もいる。青空のもとでワイン、料理、音楽を楽しむ。そこにはなんの制約もないし、気兼ねすることもない。ただ、目の前のものを楽しめばいいのだ。
 ニュージーランド中から多くのワイナリーが出店し、自慢のワインを提供する。飲む側も、飲ませる側も、みな底抜けに明るい。「国民性」とか、そんな言葉では片付けられないようなこの明るさは、ワインの持つ力なのかもしれない。そうだとしたら、まだ私たち日本人は、ワインの持つ楽しさの、十分の一も享受していないことになるだろう。
 もちろん、ただ楽しいだけではない。知的好奇心をくすぐるに十分な催しも、たくさん用意されているのだ。わずか数年の間に、ニュージーランドワインが世界市場で高い評価を受けるに至った理由−様々な要因があるだろうが、その一つにピノ・ノワールの成功が挙げられる。
 栽培が難しいとされるこの品種は土地の個性を大いに反映する。ブルゴーニュの、村や畑の位置関係を熱心に調べるワイン好きも多い。北島、南島の各産地、もちろん造り手にもよって様々な個性を映し出したニュージーランドのピノ・ノワール。そのピノに世界中のワインファンたちが注目をしはじめるのに、あまり時間はかからなかったのだ。
ステージではライブ演奏などが行われた。芝生の上でワイン、料理、音楽を思い思いに楽しむ。
ブース内では業界人向けのセミナーも行われた。これはフロムのピノ・ノワール垂直テイスティング。

デザインも素晴らしいクラウディ・ベイのボトル。あらためて「ワインはアート」だと気づかされた。
 丸一日、ワインフェスティバルで心の洗濯をした次の日は、マールボロの生産者めぐりだ。午前中はフロム・ヴィンヤード。ピノのほかにもシラーを試飲でき、可能性をうかがわせる。畑へと案内されて、日照の角度、傾斜による水はけなどよいブドウが出来る理由に納得。
 クラウディー・ベイでは高品質のスパークリング「ペロリュス」に舌づつみを打つ。資本元である「ヴーヴクリコ」よりも美味しい!なんていう声もあがったほど。樽熟成のソーヴィニョン「テ・ココ」からピノ・ノワールまでフルラインナップをティスティング。マールボロ・ワインの個性が体の隅々にまで染み渡ったような気がした。


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