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南半球の楽園、ニュージーランド(2)
                                                 2004/4/4
ウェリントンの町並み。独特の強風が吹く
最南端のセントラルオタゴから、北東の南端、首都ウェリントンへとやってきた。ニュージーランド最大の都市はオークランドだが行政・立法の要はここウェリントン。もちろん街も整備されており、夜の繁華街へと繰り出した。オーストラリアもそうだが、こちらではB・Y・Oシステムが確立されている。Bring your ownの略で、ようは堂々とお酒を持ち込める、ということ。さっそく近くの酒屋でワインを見繕い、中華料理屋でずらりと並べた。いろんなマリアージュが自由に楽しめる、合理的なシステムだ。

 ウェリントンから大きな山を越えてバスに揺られること2時間、ニュージーランドきっての銘醸地といってもいいマーティンボローに到着した。マーティンボロー・テラスと呼ばれる、地質学的にもブドウ栽培に優れたところで、いわゆる「ピノ・ノワール御三家もここに位置する。アタ・ランギドライ・リヴァーマーティンボロー・ヴィンヤードだ。
 アタ・ランギではサマーロゼがよかった。連日の試飲による疲れ、まだ午前中ということもあるだろう。畑も見せてもらった。一面には防鳥ネットが張り巡らされている。おいしいブドウにつられるのは、どうやら人間だけではないようだ。
 ここでもやはり、クローンの話題になる。同じ人が同じ畑で、同じように作っても味が異なってくる。最適なクローンを選別することから、よいワイン作りは始まっているのだ。ワイン作りの歴史や伝統では、とてもヨーロッパにはかなわない。だからこそ自由な発想で栽培適地を探し、最適な品種やクローンを選択し、醸造家が腕を振るうことができるのだ。
 このことが、ここ数年でニュージーランドのピノ・ノワールが急激に評価を高めてきた最大の要因と言えるだろう。
午前中に訪問したアタ・ランギ。ワイナリーの歴史から醸造における考え方まで詳細に説明してくれる。
ネットだけでは食欲に満ちた鳥の来襲を防ぎきれない。時にライフル銃を使うことも。

世界最高のピノ・ノワールを求めてニュージーランドに移住した楠田浩之氏。
 そしてニュージーランドでワインを造るのは、何も現地の人だけではない。世界中から、この地の可能性を信じて醸造家が集まってきた。
 ドイツ・ガイゼンハイムで醸造学を修めた楠田浩之氏もそのうちの一人。ワイン造りに最適なように土地を変えるのは難しいが、ワイン造りに最適な土地へ、人間が移動するのは簡単なこと、と言ってのけるフットワークの軽さ。自ら理想とするワインを造り、世界をアッと言わせてくれる日が待ち遠しい。


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