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せんじょう
らーめん 千上 (代々木)
                                            04/6/9
 
「千古上品」の略。永久に最上級、という意味らしい。

 ひょんなことから、表参道から中野坂上まで歩くことになった。いや、歩くことにした、と言った方が正確だろう。時間は夕方の6時過ぎ。ならば、滅多に来ることのないであろう代々木界隈で何かうまいものを食べよう、そう考えながら、街を歩いた。
 途中、「光麺」の看板も目に入った。池袋を中心に急成長したラーメン店だ。何度か行ったことがあり、改めて取材を、とも考えたが思いとどまった。十分に名の知られたお店に対して、私がどうのこうの言ってもあまり有益ではないと考えたからだ(どれもみな無益だ、という声も聞かれるがそれはさておき)。

 雨も降り始めた頃、意を決して飛び込んだのはここ、らーめん千上(せんじょう)。店頭のメニューのところに「本気になって一生懸命作りました。」と書いてあったのが決め手となった。「そんなの当たり前だ。売り文句にすぎない」という見方もできるが、一縷の望みにかけてみたかった。行間から滲み出る、人間臭い匂いに。
 
なるとが色鮮やかだ。 表面はツルッとしているが芯がしっかりしている。

 注文したのは、とろ玉ラーメン¥730。デフォルトのラーメンに煮卵がのっている。
 基本データを記しておこう。スープは豚骨の背骨と豚足の部分、出し汁は千葉・九十九里浜の真鰯のにぼしからとっているそうだ。麺は細いが芯の硬い、軽い縮れの自家製麺。一時期一世を風靡した「動物系×魚介系ハイブリッドラーメン」という分類になるのだろうか。

 
スープは澄んでいて滋味たっぷり。 中はしっかり半熟。スープにも溶け出してもうメロメロだ。
 なるほど、豚骨のコク・粘性が魚介の塩気とうまく融合し、見事な一体感だ。醤油・塩・味噌などの調味料に頼らない、素材の旨さがストレートに感じられる。そのスープに包まれる麺もグリップがよく、実に働き者。麺そのものの風味はあえて突出させずに、スープというドレスを纏うマネキン人形に徹している。

 チャーシュウにも非凡なものを感じた。繊維の細かい柔らかさ、そして隅々まで染み込んでいるだし汁の旨み。これらが燻されることによって凝縮されているのだ。それと比べると玉子には失望の念を禁じえない。いや、もちろん標準以上のうまさには違いないが、「とろ玉(たま)」と謳われては、もっとすごいものかと想像をたくましくしてしまうのだ。

 もう一つ苦言を呈するならば、後口に感じられる、脂の膜のようなしつこさが気になる。とんこつラーメンとしての宿命かもしれないが、せっかく「和だしとんこつ」という高いレベルを目指すのならば、このあたりがもっと引き締まるとおもしろい。しかし全体的には旨みがギュッとつまった、おいしいラーメンには違いない。店主の謙虚な姿勢からは、今後の発展、ポテンシャルの高さがうかがえる。飛び込みで入ったラーメン屋がこんなだと、その日一日、嬉しい気分になれるというものだ。


お店データ: 
らーめん 千上
参考サイト:街歩き探検隊
渋谷区千駄ヶ谷4-30-5みすずビル1F
Tel 03-5411-0751
JR代々木駅から徒歩3分 



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