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今や日本、特に東京では、世界中の料理を食べることができる。戦後、米国の穀物政策からパンを食べることが奨励され、それに伴い食肉、野菜などが輸入されるようになった。また人的交流もあって世界中の料理が日本に紹介された。ここ100年の間の食文化の広がり、発展には目を見張るものがある。 生まれたときから自然にパンがあったし、ハンバーガーなんてのも抵抗がない。中華やフレンチ、イタリアンから東南アジアやアフリカの料理まで、食指をそそるものはたくさんある。なぜなら、その国の文化・歴史に触れるには料理を食べてみることが最も分かりやすい方法で、しかも楽しいからだ。
そんな国際都市・東京に住んでいても、やはり最も食べたくなるのは日本食というか和食、いわゆる家庭料理だ。ごはん、みそ汁というまさにDNAに刷り込まれた組み合わせを筆頭に野菜の漬物、海の幸、醤油やみりんで味付けされた煮物。思い出すだけで涎が出てくるのは、日本人としてのアイデンティティーに他ならない。 日本橋室町にひっそりと佇むこのお店は、まさに普通の家庭料理を、普通に、しっかりと食べさせてくれる。そこには一遍の奢りもなければ気負いもない。ただ、「いいものを食べてもらいたい」という純粋な気持ちがあるだけだ。
つみれ団子は柔らかくジューシーで、春菊は土の香りがし、人参は甘い。それぞれのよさが協調して表現されている煮物。まさに本来の日本人の村社会を表している、といったら言い過ぎだろうか。
小さなお好み焼は、衣にしっとりと弾力があって、ピーマンと白ネギを大切に包み込んでくれている。 そして、やっぱりご飯とみそ汁。ご飯は「魚沼産こしひかり」で味噌は佐賀の蔵元が自家醸造している「葉隠味噌」だ、という表記があったがそういう薀蓄を抜きにしても、やっぱり普通に旨い。みそ汁には大ぶりな白菜が入っていて、味噌は甘く辛く濃い。それをふっくらとしてつやのあるごはんが、しっかりと受け止めてくれるのだ。 ああ、日本人でよかった。そう思える家庭料理を、これからもずっと食べていきたい。
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