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新宿駅西口を出てサクラヤのビルを通り過ぎる。そこに広がるのは情緒溢れる飲食街、「思い出横丁」と「やきとり横丁」だ。 昔から存在は知っていたが自分には無縁なところだと思っていた。オヤジ臭く、洗練されていない空間と決め付けていた。当時はレストランやバーに憧れ、一生懸命背伸びをしていた自分にとって、とても理解の及ばぬ異国の地だった、新宿・思い出横丁。 しかし年月は人を大きく変える。飲んだり食べたりすることはずっと好きだったが、姿勢や考え方はいろいろ影響を受けて変わっていった。思い出横丁の良さが「分かる」ようになった、というとまだまだおこがましいにも程があるが、ようやくここが寛ぎの場所である、という認識は持てるようになった。 そんなわけで今日はいよいよ思い出横丁での酔っぱらいデビュー(そば処「かめや」は体験済み)。ちょっとドキドキしながらやきとり横丁でめぼしいお店を探す。一軒目はいかにも老舗っぽい佇まいの「きくや」へ。何の予備知識もなかったので枝豆やら豚足ミソ煮など適当に頼んでしまったが、キャベツや鯨カツ、酎ハイなどが名物のお店らしい。
枝豆はかなり塩味がきつかったがホックリとしたおいしさはスターターにちょうどいい。豚足ミソ煮込みは柔らかい豚肉でコラーゲンたっぷり。やや甘めのタレは焼酎など強いお酒が欲しくなる。 二軒目は「ばんしゃく家」へ。390円メニューが豊富に揃う、内装もきれいなカジュアルなお店だ。生はモルツをもらい、イカ下足さつま揚をつまんだ。ネギとしょうがも添えられてさっぱりとした味わい。コリッとした食感が嬉しく、米焼酎「天使のハシゴ」にもぴったり。
さらに三軒目、思い出横丁を隅々まで歩いた挙句「越後屋」へ。ここでもまずはアサヒの瓶ビールをいただき手酌でチビリとやる。お通しに出されたのが砂肝の油炒めで、これが抜群に旨い。ハシゴ酒で疲れた胃袋にもやさしく染み渡るようだ。 日本酒「浦霞」を飲みながら定番商品のモツ煮込みを。奇をてらわないストレートな旨さに頬もほころぶ。あっさりとした味付けで食べ疲れしない、酒飲みにはちょうどよい肴だ。隣にいた韓国人ビジネスマンとも意気投合し杯がすすむ。国籍や文化、生活習慣も違えど酒を介して一つ屋根の下、赤提灯な国際交流。これだから飲み歩きはやめられない。
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