
| トップ>食べ歩き>東京 | ジャンル別リストへ戻る |
神楽坂を上がる途中、大久保通りに向けて通りを入ると軽小坂に出る。この通りはひっそりとしているのだが、黒塗りのハイヤーがたくさん止まっていたりとちょっと不思議な空間。 坂を上りきったあたりにイタリア料理店があり、フランス料理店やビストロ、カフェなどが点在している国際色豊かな通り。焼き鳥居酒屋なども賑わいを見せているが、今日はその一角にあるスペインワインとタパスの店「エル・カミーノ」を訪れた。 まずはカーニャ(生ビール)を頂きながらメニューを 眺める。店主がそれぞれ丁寧に説明してくださるが、中々想像がつかないのが正直なところ。お薦めされたものを中心に手探りで注文してみた。 参考サイト:「メニューの中のスペイン語」
一品目はパタタスというものを。ようするにジャガイモのサラダなのだがアンチョビ、アリオリソースが効いていて塩辛く、ビールにもよく合うおつまみ。続いて秋鮭のパステル。前菜として強く勧められた一品だ。どうやらテリーヌのことらしく、鮭の旨みがたっぷりと詰まっていて柔らかい。鮭フレークをご飯にまぶし、夢中で掻きこんでいた少年時代がふと頭をよぎる。 ビールの後はスペインが誇るスパークリングワイン・CAVA(カバ)をボトルで。モンテスキュース・サンタカナ・カバ・ブリュットという名前で、検索してもあまり引っかからない希少な銘柄のようだ。キリリとミネラルの効いた、柑橘系のフレッシュな辛口に口の中が洗われる思い。
カバをグビグビやりながら、次につまんだのはアンダルシア風ミートボール。アーモンドソースで煮込んだだけあって香ばしく、肉の旨汁が染み出たスープにパンを浸して食べるともう、昇天しそうな美味しさ。それから小豆とチョリソの炊き込みご飯。ふんわりと香る小豆に癒されながら、しっかりとだし汁が染みた米粒を噛み締める。洋の東西を問わず溜飲を下げる瞬間だ。
そうこうしている内に本日一番のお薦め、やりいかの墨煮バスク風がやってきた。もうもうと立ちこめるガーリックの効いたイカ墨の香りに、食べる前から興奮が隠せない。パクッと口に入れるとムッチリとしたやりいかが弾け、旨みが散乱する。添えられたペッパーライスも小憎らしい旨さ。
最後にいよいよスペイン産生ハムの登場だ。最高級品種とされるハモン・イベリコからチョリソ・イベリコ(香辛料を腸詰めしたサラミ・右半分)とモルコン・イベリコ(パプリカを利かせた膀胱のサラミ・左半分)をいただいた。質のいい脂の旨さには驚くばかりで、ほんのりとスパイシーな風味。ワインと一緒にいただくと凄まじい勢いで旨み成分が結合し、舌の上では味わえ尽くせないほど溢れ出る。もう嬉しくて嬉しくて、目まいがしそうな瞬間。 スペイン料理の美味しさ、楽しさを再確認することができた。まだまだ知られざる美味な食材・料理はこの地球上に無尽蔵にあることだろう。一生をかけての道楽は、まだ始まったばかりだ。
|
||||||||||||||||||