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福屋広島駅前店 屋上パノラマビアガーデン

「食べ歩き」というタイトルなのに、なぜビアガーデンなのか・・。いわゆるグルメ、美食とは最も程遠いところに位置すると思われるビアガーデン。飽食の時代を象徴する、前時代的な施設かも知れない。しかし私は、ビアガーデンの復権を願ってやまない。食べること(飲むこと)を楽しむのは、何も味の追求だけではない。全体の雰囲気、演出やリラックスできるかどうかなど、大切な要素はあちこちに散りばめられている。
食べ終えた皿と、飲み終えようとするビール。って、全然うまそうじゃないじゃん。
まず基本的なことだが、当然ビールは飲み放題でなければならない。広島そ○うの屋上ビアガーデンなど、3杯目以降は有料となる。その分料理などが凝っていて、あまり飲まない若い女性客を意識したのだろうが、言語道断である。ビール飲みとしては、カラカラに喉を乾かして、額に脂汗をかきながらビアガーデンへ向かうのだ。しこたま飲んでやる、という勢いを削がれるようなビアガーデンなど、存在価値はない。どうみても素人料理なのに「無国籍」とか「創作系」とか言ってるのと同じだ。ビアガーデンはビールで勝負すべきである。

 当然個人差もあるが、最初の一杯で口を潤し、2杯目は喉で飲む。3杯目あたりからじっくり味わうようになってくるのだ。このへんからお腹も膨らみ始める。そりゃそうだ、400mlほどの液体が次々と胃袋に運ばれてくるのだから。
 まさにこのとき、肝機能はフル回転。八面六臂の大活躍で、ビールを水と二酸化炭素へと分解していく。この様子を、自分の体の中で実感できるようになってくると面白い。ゲップのタイミングや尿意のもよおしなど、ある程度コントロールできるようになってくるのだ。「ビールを飲んでいる」という、ある種の征服感を味わうことができるのではなかろうか。
つまみはそこそこに、ビールをあおる。年季の入ったビールっ腹だ。

福屋八丁堀のビアガーデンでは、途中エレベータが停止するというアクシデントに見舞われた。しかしビールで満たされた精神状況なので余裕たっぷりだ。
 友人と会話を楽しみながら、涼しい夜風に当たりながら、杯を重ねていくことだろう。繁忙期なら時間制限もあるかも知れないが、飲み進むにつれて意識が薄らいでいき、「飲んでいる」という感覚から「飲まれている」という感覚へと移っていく。征服感から脱力感への移行だ。この瞬間を察することができるようになると、いよいよ上級者といえる。なんとも、スマートな佇まいだ。〆には焼酎かウイスキーをサッと流し込み、消化を助けることにする。「ほたるの光」に耳を傾けながら、悩ましい夜の繁華街へと消えていくのだった・・。

お店データ:
福屋広島駅前店 屋上パノラマビアガーデン
広島県広島市南区松原町9−1
(082)568-3111
JR広島駅より徒歩5分。市内中心部より徒歩15分
営業開始日時は店舗に直接お問い合わせください 



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