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いらっしゃい!
酒のリカーズ・沼田店
                                            04/5/3
 
賑やかな店頭。売れ筋商品である焼酎を立体的に陳列してアピールする

 あなたにとって、お気に入りのお店はいくつあるだろうか?コンビニやスーパーが幅を利かせる現代社会にあって昔ながらの個人商店は苦戦を強いられてきた。しかしまた増えすぎたスーパーも、価格競争に陥り利益の出ない不毛な争いに疲弊してしまい、個性の埋没化を招いた。
 「どこで買っても同じ」と冷めた目で買い物をする消費者。しかし「ここで買いたい」と思わせる、血の通った酒屋が、ここにはある。リカーズ・沼田店だ。チェーン店ではありながらも工夫を凝らした売り場作りで、販促の仕掛けがいっぱい。「攻めの陳列」は決して自己満足に陥ることなく、的確な商品提案として消費者ニーズを引き出している。その秘密を白日の下にさらけ出すため、曇天のゴールデン・ウィーク中日に覆面取材を敢行した。

 店員のWさんは言う。「私たちはただ、お客さんの笑顔がみたくて。お酒って楽しむために飲むもんでしょ。そのお手伝いが出来ればいいのよ。」この、自然な言葉が行き届いた接客の根源だ。人に言われてやるのではない、自ら率先して接客にあたる、この自発性。国民年金も払えないほどモラルの堕落した某・政治家につめの垢でも煎じて飲ませてやりたいところだ。

 
きれいで見やすい陳列レイアウト。興味がなくても、つい立ち止ってしまう。 接客の合間を縫って自作したという「かのかの模型」。商品への愛情をうかがい知ることができる。
 店員のIさんにおすすめの商品を聞いてみた。「さっぱりと飲みやすい麦焼酎、かのかですね。お湯割り、梅割り、レモン割りなどいろいろ楽しめますよ。」とても的確で、親切な飲み方提案だ。ご自身でも飲んで確かめられたのだろう。料理の相性なども飲む人の立場に立った提案をしてくれる。「ただ、お酒が好きなだけですから。」と謙遜するあたりが、固定ファンの心を掴むのだ。

 入口そばに陳列された麦焼酎かのか。何気なく見ていたら、巨大なかのかのダミーが目に飛び込んできた。この作品を手がけたのは美術に造詣の深い店員のYさん。「かのか、っていう平仮名が特徴的ですよね。インパクトが出せれば、と思って。」相当時間がかかっただろう。素人にはまねの出来ない作品だ。こうした、売り手の地道な努力によって、商品が育てられていくのかも知れない。メーカーの商品開発担当者が見たら、泣いて喜ぶことだろう。

レジ周りもスッキリ。知識も豊富なのでいろいろおすすめを聞いてみるといい。
 取材の合間にも手を休めることなく仕事に励んでいた店員さんたち。絶妙のチームワークと商品を愛する気持ちが伝わってきた。商売として、環境は決して易しいとはいえない。乱立する大型量販店、免許緩和による売り場の拡大。ネット通販も盛んだ。しかし、そんな時代だからこそ、「顔の見える商売」が必要とされる。消費者も生身の人間なのだ。商品とお金の交換だけではない、「あたたかいもの」を求めているに違いない。そんなお店が増えて欲しいし、がんばってもらいたいと、今回の取材を通じて改めて実感した。


お店データ: 
酒のリカーズ沼田店
安佐南区沼田町伴字中大原5767-1
Tel 082-849-5008

アストラムライン大原駅の前、フレスタの向かい 

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