●熟成したバルベラ・ダスティを

9月とはいえ日照が多く蒸し暑かった土曜日、風呂あがりのビールに続いてバルベラ・ダスティを開けてみた。トリンケーロが作る最上キュヴェ「ヴィニャ・デル・ノーチェ97」、鉄っぽい香りはまだ若干の若さを秘めているが、よく練られた老獪な旨みは舌を幻惑へと誘う。
色調は濃くて深いルビー色。決して華やかではなく溌剌さも感じられないが、どこか温かく懐かしい香り。控えめながら芯のある、しみじみとした美味しさ。
“9年”という熟成期間がそうさせるのか、微動だにしない落ち着いた酒質が頼もしい。酸は穏やかに果実味は抑制をともない、健気なタンニンが口中をゆったりと伝う。
熟成したバルベラ・ダスティを。際立った個性はないが全身で深く味わいたい、初秋にピッタリの赤ワイン。