●濃すぎない赤ワイン
このところ濃くて渋い赤ワインはどうも敬遠しがちだ。黒に近い濃紺色の液体から、プンプン立ち上るカシスのリキュールのような、ギュッと詰まった甘い香り。口中でピチピチと弾ける密度の高い果実味に、舌を痺れさせる強いタンニン。一昔前までは高品質ワインの証として崇めていたものだが、メシとの相性を考えるとつい二の足を踏んでしまう。
そんなわけで南仏の赤ワイン、なかでもコルビエールなどはしばらく飲んでいなかったのだが、今日開けたアンリ・グアルコのコルビエールはなかなかよかった。甘すぎない香りに、丸すぎない果実味。ややもすると薄いと思われがちだが、節度を保った凝縮感は飲んでいて疲れない。
ワインから学んだのは「何事もバランスが大切」ということ。「平準化」「無個性」というとマイナスのイメージで捉えられがちだが、それは一方の側、あえて言うならば西洋主導の価値観だと思う。調和や融合、和を重んじる姿勢を見直し、「バランスのもつ妙味」をたっぷりと楽しみたい。